(一社)日本官能評価学会 会長 小竹佐知子

 一般社団法人日本官能評価学会では、このたび、新たに「官能評価実践ワークショップ」を開催することになりました(詳細はワークショップをご覧ください。)。「官能評価実践ワークショップ」では、官能評価の設計・実験・解析・報告(発表)を実践的に体験していただく点を大きな特徴としています。体験はグループ作業を通して行いますので、多方面からの参加者の交流の場とすることも目標としています。

 「官能評価実践ワークショップ」の特徴は実践ですが、毎回、習得を目ざす官能評価手法と解析手法をひとつに絞って、深く学ぶことを実行します。皆様もご存知のように、官能評価に用いられる手法や解析法は多様であり、一つ一つを丹念に習得してこそ、独り立ちして、企業の現場で、そして大学の学び場で、活かすことができるのではないか、と考えます。このため、「官能評価実践ワークショップ」では、会員の皆様から寄せられたご要望にお応えするべく、開催ごとに、ターゲットを決めて今後進めていく予定です。したがいまして、提示の評価手法・解析手法を体験したければ、ご参加していただき、また、別の回に設定したターゲットに興味関心がおありでしたら参加する、そうでなければ参加を見送る、という姿勢で取り組んでいただくと、この企画開催の意義を発揮するものとなります。また、本ワークショップの開催は、今後、2月~3月にかけての開催としつつも、定期的に毎年開催するのではなく、都度、必要に応じて開催のご案内をいたしますので、ご理解いただきたくお願い申し上げます。

 初開催の2024年は、記述分析法による官能評価を計画、実習し、収集したデータの主成分分析までを体験していただきます。
 グループワークの各グループにはコーディネーターを1人ずつ配し、ワーク作業中に直接質問を受け、作業内容のチェックを細かく行うなど、実践体験が活きるように対応します。また、官能評価に用いる様々なオンラインツールを実際に活用する体験もしていただきます。
 本ワークショップは2日間をかけて実施し、参加者の皆様には、1日目にはオンラインによる講習会を、そして2日目には対面による実習を行ってもらいます。1日目と2日目の間に1週間ほどの期間をおきますので、1日目に学習したオンライン講習会の内容を各自で復習や、咀嚼の時間に充てていただき、2日目の対面実習に臨んでください。このような時間設定も、習得効果を高めるための有効な手立てとなっております。2日間のワークショップを修了された方には、修了証が授与されます。なお、上記開催の趣旨を鑑み、本ワークショップの修了は、JSSE上級官能評価士の取得要件には該当しません

 先般の新型コロナウイルス感染症も収束に向かい、人が集まって交流しながら体験する「官能評価実践ワークショップ」の開催にこぎつけることができ、嬉しい限りですが、先記の通り、新しい企画内容でもあることから、運用は柔軟に対応していきたいと考えております。今後、ご参加いただいた方々からのご意見、ご要望を反映させていくのは言うまでもなく、また、深く学びたい手法のリクエストなどがおありでしたら、ぜひご希望をお寄せいただきたくお願い申し上げます。皆様からのお声および理事会での議論を集約し、学会員に有意義にご利用いただける「官能評価実践ワークショップ」を提供してまいります。