ごあいさつ
会員の皆様におかれましては、ご清祥のことと存じ上げます。
令和の世が始まり、東京オリンピックの開催年が幕明けた瞬間、新型のウイルス(covid-19)の出現により近年希にみる世界的な人的・物的大損失に見舞われてしまいました。感染された方、被害にあわれた方々におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。
このような時に、学会として、皆様の叡智を総動員し、来たるべき今後の復興に貢献出来ますよう、努力してまいりたいと存じます。
グローバル社会に生きる我々は、世界中の物資・人力を頼って生活しております。もはや一つの国だけでは物不足に陥ること、今回誰もが思い知りました。風評により誤った情報に翻弄される、また、少ないマスクを巡る争奪戦など、普段では考えられない消費者としての行動も垣間見られました。このことは、世界は一つのマーケットであり、現代の豊かな生活は、世界のすべての国々の協力によって、営まれてきたことを実感致しました。人間は誰しも生活者であります。それは生きるために必要な物資を消費する消費者でもあります。そこで、この度のテーマは「消費者を知る・測る」をとりあげました。消費者の行動を知るためのツールにはどのようなものがあるか、消費者の心理状態を測り、どのようにしてリテラシーを育てるのか、十分に理解し、その上でよりよい製品作りに役立てたいものです。本学会を長い間牽引してこられた小塚元会長は、食品会社在職中に数々のヒット商品を生み出された方です。ヒット商品を生み出す官能評価についての基調講演も予定しております。
いつ収束するかの見通しもたたず、悶々とした状況ではありますが、少しでも多くの皆様方の参加とともに、これからの消費者に役立つすばらしい商品がこれからも開発されますように期待し、すべての消費者の安寧を祈りご挨拶とさせていただきます。
- 一般社団法人 日本官能評価学会
会長 飯田文子