ごあいさつ
会員の皆様におかれましては、平素より学会活動に対し、ご理解とご協力を賜り、心より感謝申しあげます。世界中に様々な変容を強いたcovid-19でしたが、本年5月に5類感染症に分類が移行することになりました。本学会も2020年度・2021年度・2022年度大会と3大会がオンライン開催でしたが、このたび、4年ぶりに対面開催の運びとなりました。
今年度大会は、2023年11月26日(日)に東京農業大学 世田谷キャンパスで行います。大会テーマは、「感覚生理と官能評価」です。官能評価はヒトの感覚がどのように受容され、伝達されるのかのしくみを紐解くことが大切です。測定される物質量がそのまま感覚として需要され、伝達されるわけではなく、ヒトは複雑なしくみを経て認識されることが研究によって明らかになりつつあります。
そこで、はじめに基調講演「「味を感じる味細胞:そのルーツと驚くべき機能」につきまして、東京農業大学 岩槻 健 教授に最近の味覚研究の成果についてお話いただきます。その後シンポジウムに移り、京都女子大学 成川 真隆 准教授に「味覚受容の加齢変化」、大阪大学 黒田 俊一 教授に「ヒト嗅覚受容体発現セルアレイセンサーによる匂い情報DXの実現」、かずさDNA研究所 櫻井 望 チーム長に「成分の複雑系を紐解くためのノンターゲット・メタボローム基盤整備」、京都大学大学院 益田 勝吉 特定教授に「in silicoスクリーニングによる素材探索と生理応答の作用機序解明を目指して」と4名の最先端の研究者に話題提供いただきます。活発な討論になりましたら幸いです。また、27件の研究ポスター発表も開催致します。
久しぶりの対面開催で、3年間できなかった交流を深め、ご研究の刺激になりましたら幸いと存じます。
感覚器官と官能評価の研究は共に発展しながら、より新しい評価手法が探求され、ヒトの感覚器官の特徴を生かした精度の高い評価技法が創生されることを期待しつつ、大会のご挨拶とさせていただきます。
一般社団法人 日本官能評価学会
会長 飯田文子